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開催日: ~ 2025/03/31
世界や日本のTOPとして活躍する人物の思考・生き方に触れ、あなたの新たな好奇心を目覚めさせるための新連載“WAKE-ウェイク-”がスタート。
記念すべき第1回のゲストは世界一の美食家としてガストロノミー界を牽引している浜田岳文さん。
浜田さんが家具を捨て、結婚も子供も車も時計も全てを諦めるほど虜となっている「フーディーという生き方」を知り、食に対する新たな視点を手に入れてください。
※メンバー限定プレゼントをご用意しております。最後までお見逃しなく!
1974年兵庫県宝塚市生まれ。米国・イェール大学(政治学専攻)に在学中、寮の不味い食事から逃れるため、ニューヨークを中心に食べ歩きを始める。卒業後、本格的に美食を追求するためフランス・パリに留学。南極から北朝鮮まで、世界約128ヵ国・地域を訪れ、1年のうち5ヵ月は海外、3ヵ月は東京、4ヵ月は地方で食べ歩く。「OAD Top Restaurants」のレビュアーランキングでは2018年度から6年連続第1位にランクインし、「世界一の美食家」と言われている。株式会社アクセス・オール・エリアの代表としては、エンタテインメントや食の領域でアドバイザーを務めつつ、食関連スタートアップへの出資も行っている。
初の著書である『美食の教養 世界一の美食家が知っていること』(ダイヤモンド社)が、好評発売 中。
──まずは、浜田さんが考える「フーディー」という生き方についてお聞かせください。
食を求めてあらゆる場所を旅する──。
それが私の考えるフーディーの定義です。
似た言葉に「グルメ」がありますが、グルメの方は必ずしも移動が前提ではありません。
フーディーには「移動」というニュアンスが含まれます。
また、フーディーが訪れるのは基本的にレストランだという印象もあります。
フーディーという言葉が日本では新しいので定義が定まっていない部分もありますが、私は移動を伴って複数のレストランを訪れる人をフーディーだと考えていますね。
──浜田さんが感じるレストランの醍醐味は何でしょう。
レストランでの食事は料理だけでなく、そこに至るまでの過程も含めた体験です。
移動する時間やレストランの雰囲気、サービス、料理人さんが作り上げる一皿など──。
フーディーやグルメと呼ばれる方の中には、自分で料理を作ることやテイクアウトを楽しむ方もいますが、私が興味あるのはレストランでの食事のみです。
私はただ美味しいものを食べたくて世界中のレストランを回っているわけではありません。
料理人さんのクリエイティビティを享受したいという知的好奇心に駆り立てられて食べ歩いています。
絵を見るときに目を使ったり、音楽を聴くときに耳を使ったりするのと同じように、料理人さんのクリエイティビティを口を使って鑑賞しています。
──今はフーディーとしてどのような生活スタイルを送っているのでしょうか。
これまで128ヵ国・地域をまわり、1年のうち5ヵ月は海外、3ヵ月は東京、4ヵ月は地方で食べ歩いています。
なので、1年の半分以上は家にいません。
──常に食を求めて旅をされているのですね。昔から食に対する興味は強かったのでしょうか。
実は、子どもの頃はそれほど興味がありませんでした。
親が作ってくれた料理を当たり前のように食べていて、特に美味しさなどを考えずに過ごしていました。
転機となったのはアメリカの大学時代です。
当時のアメリカは今と比べて食の水準がかなり低く、寮の食事は信じられないほど美味しくありませんでした。
そこで初めて、これまで食べていた日本の食事の美味しさに気づきました。
寮の食事では食欲が起きず、だからといって何も食べないと体に悪いので、必要に迫られて外食を始めました。
電車で2時間ほどかけて大学がある街からニューヨークまで食事に出かけるようになり、徐々に食への好奇心が芽生え、気づけばアメリカ中を食べ歩くようになっていましたね。
食への知的好奇心をさらに追い求めたいという思いから大学の単位を半年早く取り終えてパリへ行き、1997年から1998年にかけて美食の世界に没頭しました。
──大学での美味しくない食事がきっかけで興味を持ったのですね。当時のパリの食事はいかがでしたか。
初めてのパリは、価値観が変わるほどの衝撃を受けました。
フランスは当時のアメリカと違ってガストロノミーが確立されていました。
美味しい食材を組み合わせれば美味しい料理になるのは当たり前ですが、フランス料理は考えつかないような組み合わせで美味しさを表現します。
特に三ツ星シェフのピエール・ガニェールのレストランは忘れられません。
パリでの生活は、料理の奥深さを知る時間となりました。
──パリで美食に目覚められましたが、留学後は日本で就職されたと伺いました。どのような経緯で今の生活スタイルになったのでしょうか。
私のキャリアは日本で投資銀行に勤めることから始まります。
しかし、社会人4年目くらいまでは忙しすぎて「週に1日は外食できればいいな」という生活でした。
しばらく食から遠ざかっていたものの、年に2回ほど休みをとって海外に食べ歩きはしていました。
しかし、行きたいところが多すぎて「この生活を繰り返すだけでは生きている間に全てをまわりきれない」と感じたんです 。
私は小さい頃から後悔するのがとても嫌いで「悔いのない人生を送りたい」と思っていました。
改めて自分が行きたいところをリストアップした際に「これを全てまわらずに死んだら絶対に後悔する」と思い、仕事を辞めることを決意しました。
──食への想いを抑えきれず、思い切った決断をされたのですね。
10年間におよぶ金融業界での経験を終えた後、世界一周の旅に出ました。
その後は3年間、自分がオーナーでない会社の社長を務めていたのですが「自分の人生を賭けたい」と思える仕事をするために、独立して今の会社の設立と生活スタイルに至っています。
── これまで訪れた128ヵ国・地域の中で、特に印象に残っているところをお聞かせください。
最も頻繁に訪れているのがイタリアとスペインです。
特にイタリアは年に2回は必ず訪れており、これまでに30回以上、全20州に足を運んでいます。
イタリアの魅力は若手シェフによる現代的料理のレストランが次々と誕生する一方、伝統的なトラットリアも楽しめる点です。
比較的カジュアルで地場の郷土料理を提供するトラットリアが全国各地にあり、新しいレストランを訪れつつ、古くからの名店も巡るという素晴らしい組み合わせで楽しめます。
イタリアは統一して150年ほどの歴史しかなく、それまでは各地域が別々の国だ ったため、地域性が非常に豊かです。
「50キロ移動すれば料理が変わる」と言われるほど、料理のバラエティに富んでいます。
──他に特徴的な経験をした国・地域はありますでしょうか。
なかなか観光で行かない北朝鮮の平壌で食べ歩きをした経験があります。
北朝鮮は自由に観光ができない国なので、国営の旅行会社に申し込み、私1人に対してガイドが2人同行する形での観光となりました。
事前に行きたいところの希望は出せるものの、単独行動はできません。
私は地下鉄に乗ることと本場の冷麺を食べることをリクエストし、どちらも連れて行ってくれました。
冷麺は韓国のイメージがあるかもしれませんが、実は本場は北朝鮮です。
冷麺には2つの有名なスタイルがありますが、どちらも北朝鮮発祥なんです。主に北朝鮮から移住した人が南側で店を始めたので、韓国でも広まりました。
食べた冷麺の印象は美味しく、衝撃的でもありました。
冷麺には、そば粉を練り込んだ黒い麺と、でんぷんの白い麺があります。
通常、そば粉を使った黒い麺はグルテンが含まれないのでコシが出ないのですが、北朝鮮の冷麺は黒い麺なのにコシがありました。
お年寄りが喉を詰まらせないか心配になるほどで、しかも麺がとても長いのも特徴的でした。
味付けは濃すぎず繊細で、北朝鮮出身の方がやっている韓国の店でさえ体験したことのない味わいでしたね。
──直近では初めてグリーンランドも訪れたそうですね。
デンマークのフェロー諸島で出会ったシェフが、グリーンランドで3年間限定のレストランを開いて いたので訪れました。
日本からグリーンランドまでは乗り継ぎ含め24時間以上かかり、飛行機だけでなく、プロペラ機や船での移動も必要です。
さらに、天候が悪いと飛行機が飛ばないため、予備日を設ける必要もありました。
気温は6度ほどでしたが真夏だったため日差しが強く、日中は暖かく過ごせました。
移動は氷河が浮かぶ海を船で渡るのですが、氷河の多さによって航路が変わり、通常30分の行程が1時間かかることもあります。
私が目当てにしていたレストランは、鯨などグリーンランド特有の食材を扱っており、とても満足できる美味しさでした。
しかし、事前に調べた他の店にも行ったのですが、グリーンランドの食は、まだまだこれからという印象です。
地元の食材を使う店自体が少なく、ほとんどが主要都市のスーパーで売られているような食材を使っていました。
──改めて移動の過程も含めて食を楽しまれているのが伝わります。これから行ってみたい国や地域はどこでしょうか。
気になっているのはイラクです。
文化的に素晴らしい国ですし、最近ようやく観光ができるようになりました。
まだほとんど訪れていない西アフリカのナイジェリアやガーナにも興味があります。
この辺りはマリに行ったことがある程度で、まだまだ未開拓です。
特にガーナには面白そうなレストランが1、2軒あると聞いています。
こういった未知の食文化との出会いを、今でも楽しみにしています。
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前編では、浜田さんが食に興味を持ったきっかけやこれまでの人生の歩み、食を楽しんだ国々について伺いました。
後編では、浜田さんの“食”との向き合い方や、今の日本のレストラン業界について感じていることなどをご紹介しますので、引き続き浜田さんの美食の世界をお楽しみください。(後編はこちら)
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